「同じ訳文で原文の異なる分節」では、原文が異なるのに同じ訳文が使用されている分節を指摘します。
たとえば、Trados で翻訳しようとしている文書に次の 2 つの原文があるとします。翻訳メモリにこれらの原文の訳は登録されていません。
(1) ワイヤー長の最大値を指定します。 |
(2) ワイヤー長の最小値を指定します。 |
(1) の分節を翻訳し、翻訳メモリに登録します。
原文: | (1) ワイヤー長の最大値を指定します。 |
訳文: | (1) Specify the maximum wire length. |
その後、(2) の分節を翻訳するとき、おそらく翻訳メモリから次の訳文が提供されます。
原文: | (2) ワイヤー長の最小値を指定します。 |
訳文: | (2) Specify the maximum wire length. |
ここで、訳文の「maximum」をたとえば「minimum」に変更すべきですが、残念ながら、翻訳者もチェッカーも、これを見逃してしまうことがあります。
Tuscan でこの文書を対象に「同じ訳文で原文の異なる分節」のチェックを実行すると、対訳チェックの結果に次のように表示されます。
表示された 2 つの原文を選択し、マウスの右ボタンをクリックし、ショートカットメニューの[違いを確認]をクリックすると、原文の違いを確認できます。
違いの確認結果:
「同じ訳文で原文の異なる分節」のチェックでは、原文と訳文が分節間で一致しているかどうかを確認するとき、 数字のみで構成される単語をすべて 0 に置き換えます。
このトピックの 2 つの分節の訳文は異なりますが、チェック時に各分節の数字をすべて「(0)」に変更することで、 どちらの訳文も「(0) Specify the maximum wire length.」となり、一致しているとみなします。
Tuscan 4.3.6
2014年7月2日 - 作成
2014年11月17日 - 仕様変更(チェック結果の表示方法の変更)を反映