Microsoft® Office PowerPoint プレゼンテーションファイル(PPTX/PPT)のテキストだけを XML ファイルに書き出し、翻訳後、プレゼンテーションファイルに書き戻すことができます。
PPT/PPTX ファイルの翻訳にこの機能を利用すると、PowerPoint プレゼンテーションに訳文を書き戻した後に編集作業が必要になりますが、 翻訳時に煩雑なタグを扱う必要がなく、翻訳者が翻訳により集中できます(後述のように改行文字を表すいくつかの単純なタグは使用されます)。
* この機能を利用するには、お使いのコンピューターに Microsoft Office PowerPoint 2007 以降がインストールされている必要があります。
この作業は、次の手順で行います。
SDL Trados Studio、SDL Trados またはテキストエディターを使って XML ファイルを翻訳する。
PowerPoint でプレゼンテーションファイルを開き、フォントの変更、テキストボックスのサイズ変更など、必要な編集を行う。
バージョン 4.1.0 以前で開発者が認識していた問題点は次のとおりです。
翻訳後のテキストをプレゼンテーションファイルに書き戻すとき、ノート内にスライド本体のテキストが書き戻されてしまう場合があります。
バージョン 4.1.1 で対応済みです。
スライドマスター内のテキストは抽出されません。
バージョン 4.1.1 で対応済みです。
翻訳後のテキストをプレゼンテーションファイルに書き戻すとき、原文で改行文字が連続していると、訳文に原文より多くの改行文字が入る場合があります。
バージョン 4.1.1 で対応済みです。
Tuscan を起動し、[対訳チェック]タブまたは[対訳検索]タブを選択します。
表示されていない場合は、[表示]−[パネル]をクリックするか、F11 キーを押します。
[対象のファイル]の一覧に、PowerPoint プレゼンテーションファイル(PPTX または PPT)を追加します。
エクスプローラーで対象のファイルを検索し、一覧にドラッグ&ドロップして追加することもできます。
[ツール]メニューの[前処理/後処理]をポイントし、[PPT/PPTX から XML にテキストを抽出]をクリックします。
指定した PPT/PPTX ファイルのテキストが XML ファイルとして保存され、[対象のファイル]の一覧のファイル名が XML のファイル名に変更されます。
SDL Trados Studio、SDL Trados またはテキストエディターを使って、作成された XML ファイルを翻訳します。
* Tuscan のこの機能で生成する XML ファイルには、Studio や TagEditor で PPTX/PPT ファイルから作成するバイリンガルファイルのような書式タグは含まれません。 ただし、改行文字などを単純なタグで表現しています。
実際の文字 | XML ファイルでの置き換え(タグ) | 推奨するタグの種類 |
---|---|---|
CR/LF | <br/> | インライン |
CR(キャリッジリターン) | <cr/> | インライン |
LF(ラインフィード) | <lf/> | インライン |
VT(垂直タブ) | <vt/> | インライン |
上記文字の 2 つ以上の繰り返し | <brs></brs> | 指定なし |
状況に応じて、それぞれのタグを内部タグ(インライン)から外部タグ(指定なし)に変更することもできます。
作成された XML ファイルを TagEditor で開く場合は、INI ファイルを用意してください。次の INI ファイルもご利用いただけます。
作成された XML を Trados 2007 で翻訳するために必要な INI ファイルの例
作成された XML ファイルを Trados Studio で翻訳する場合は、「ファイルの種類」を新規作成してください。
Tuscan を起動し、[対訳チェック]タブまたは[対訳検索]タブを選択します。
表示されていない場合は、[表示]−[パネル]をクリックするか、F11 キーを押します。
[対象のファイル]の一覧に、翻訳済みの XML ファイルを追加します。
エクスプローラーで対象のファイルを検索し、一覧にドラッグ&ドロップして追加することもできます。
翻訳済みの XML ファイルと同じフォルダーに、オリジナルのプレゼンテーションファイル(PPTX/PPT)があることを確認します。
[ツール]メニューの[前処理/後処理]をポイントし、[XML から PPT/PPTX に翻訳済みテキストを上書き]をクリックします。
オリジナルのファイルのテキストに、翻訳したテキストが上書きされます。
プレゼンテーションファイルにテキストを書き戻すと、すべてのテキストボックスの途中の書式変更が文字書式、段落書式を含めてすべて失われます。
同じテキストボックス内のすべての文字にそのテキストボックスの先頭の文字の書式が適用されます。
同じテキストボックス内のすべての段落にそのテキストボックスの先頭の段落の書式が適用されます。
PowerPoint でプレゼンテーションファイルを開き、原文を参考にしながら、フォントや書式の変更、テキストボックスのサイズの変更など、必要な編集を行ってください。