TTX ファイルの基本的な対訳チェックの手順についてサンプルを使って説明します。
この記事に記載されている作業を実施するには、Tuscan のほか、コンピューターに SDL Trados 2007 または Trados 2006 がインストールされている必要があります。
Trados 2006 および Trados 2007 のサポートは終了しています。
対訳チェックを実行します。
Tuscan を起動します。
Tuscan の起動時、最新版の有無が確認され、最新版がある場合はインストールするかどうか確認するメッセージが表示されます。できるだけ最新版を使用してください。
[対訳チェック]タブが選択されていない場合は、[対訳チェック]ボタンをクリックします。
[現在のファイルを対象にする]チェックボックスをオフにし、 次のいずれかの方法で、[対象のファイル]の一覧にチェック対象のファイルを追加します。
対象のファイルを一覧にドラッグ&ドロップします。
[+]をクリックし、表示されるダイアログボックスを使って対象のファイルを選択します。
Ctrl キーを押しながら[+]をクリックし、表示されるダイアログボックスを使って対象のファイルを含むフォルダーを選択します。
指定したフォルダー内のすべてのバイリンガルファイルが対象のファイルとして追加されます。
対象の TTX ファイルを編集中の場合は、[現在のファイルを対象にする]をオンにしてチェックをすることもできます。
[オプション]の項目を設定します。
指摘する項目を選択する
チェックボックスがオフの場合、Tuscan の標準のチェック項目でチェックが行われます。 チェックボックスをオンにし、チェックする項目を指定できます。
Context Match/XU はチェックしない
チェックボックスがオンの場合、Context Match の分節や XU がチェックされません。 Context Match の分節や XU をチェックする場合は、チェックボックスをオフにします。
分節化されている部分のみチェックする
チェックボックスがオフの場合、TTX ファイルの分節化されていない部分もチェックされます。
未翻訳の部分を含め、分節化されてない部分をチェックしない場合は、チェックボックスをオンします。
開いている TM(Trados 2007)の既存訳はチェックしない
既存の翻訳メモリの 100%一致訳と訳文が一致する場合にチェックを省略するには、このチェックボックスをオンにし、チェックを開始する前に該当する翻訳メモリを開いておきます。
開いているメモリに複数の 100%一致訳が登録されている場合は、そのうちの 1 つと一致していれば、チェックが省略されます。
* ここでは、デフォルトのままにします。
[開始]をクリックします。
チェックが開始されます。
しばらくすると、[対訳チェックの結果]タブにチェック結果が表示されます
* F11 キーを押すか、[表示]−[パネル]をクリックして[パネル]のチェックマークを外すと、結果の一覧をウィンドウ全体に表示することができます。
チェック結果に基づいてファイルを編集します。
[対訳チェックの結果]タブの[英字名称、数字の不一致 ...6]リンクをクリックします。
結果の一覧に「英字名称、数字の不一致」のチェック結果だけが表示されます。
一覧の先頭の行をダブルクリックするか、 マウスの右ボタンでクリック(右クリック)し、ショートカットメニューの[編集]をクリックします。
TagEditor が起動し、該当する分節が表示されます。
原文の「Files」が訳文で「files」なっています。ここは修正して、原文どおりにする必要があります。
* 指摘する項目「英字名称、数字の不一致」の設定で[辞書にある単語は大文字小文字を区別しない]がオンになっていると、 この誤りは指摘されません(結果の一覧に表示されません)。
Alt + Home キーで分節を開き、「files」を「Files」に修正します。
Alt + End キーで訳文を翻訳メモリに登録し、分節を閉じます。
一覧の 2 行目から 4 行目も同様の誤りなので、同じようにして修正します。
一覧の 5 行目は、原文にある数字の「100」が訳文にないために指摘されていますが、 訳文は誤りでないため、無視します。
一覧の 6 行目は、原文の「SDLXLIFF」が訳文で「SDLXIFF」となり、2 番目の「L」が抜けているため、 ショートカットメニューの[編集]をクリックし、TagEditor で開いて修正します。
Tuscan に戻り、[対訳チェックの結果]タブの[訳文内の全角文字(英訳) ...1]リンクをクリックします。
結果の一覧に「訳文内の全角文字(英訳」のチェック結果だけが表示されます。
TTX ファイルの分節化されていない部分(緑色の背景) に全角文字が含まれています。この部分は未翻訳であるため、TagEditor で分節を開いて訳文を入力します。
* [オプション]の[分節化されている部分のみチェックする]チェックボックスがオンになっていると、このような訳抜けが指摘されません。
* 結果の一覧では、TTX ファイルの分節化されていない部分が緑色の背景で示されます。
結果の一覧をダブルクリックするか、ショートカットメニューの[編集]をクリックします。
TagEditor の該当する分節に移動します。
Alt + Home キーを押します。
TagEditor で分節が開きます。
訳文を入力します。
Alt + End キーで訳文を翻訳メモリに登録し、分節を閉じます。
Tuscan に戻り、[対訳チェックの結果]タブの[誤りやすい単語、フレーズ(英訳) ...2]リンクをクリックします。
結果の一覧に「誤りやすい単語、フレーズ(英訳)」のチェック結果だけが表示されます。
「panel」の誤りやすい単語として「pane」が指摘されていますが、どちらの分節も誤りではないため、無視することができます。
* 「誤りやすい単語、フレーズ(英訳)」のリストに「pane」が登録されていないと、「pane」は指摘されません。詳しくは、別の機会に説明します。
Tuscan に戻り、[対訳チェックの結果]タブの[辞書にない単語 ...1]リンクをクリックします。
結果の一覧に「辞書にない単語」のチェック結果だけが表示されます。
この誤りは「英字名称、数字の不一致」で修正済みです。
[対訳チェックの結果]タブの[記号の不一致 ...1]リンクをクリックします。
結果の一覧に「記号の不一致」のチェック結果だけが表示されます。
訳文の記号「>」が原文にないため指摘されています。
これは、メニュー項目を連結する原文のハイフン(-)を訳文で「>」に置き換えたものです。 クライアントや発注者の指示どおりであれば、修正する必要はありません。
[対訳チェックの結果]タブの[タグの不一致 ...1]リンクをクリックします。
結果の一覧に「タグの不一致」のチェック結果だけが表示されます。
[確認事項]欄は、原文のタグ「<cf font="MS Pゴシック" size="10" complexscriptssize="10" asiantextfont="MS Pゴシック">」と「</cf>」が訳文でそれぞれ 1 つずつ(1 組)多いことを示しています。[確認事項]欄のコメントだけではわかりにくいため、TagEditor で開いて確認します。
結果の一覧をダブルクリックするか、ショートカットメニューから[編集]をクリックします。
TagEditor の該当する分節に移動します。
Alt + Home キーをクリックします。
原文の赤字部分「100%一致以外のセグメント」(下図参照)に対応する訳文「non-exact match segments」を赤字にするため、原文の先頭にある <cf..fontcolor="FF0000">... </cf> で「non-exact match segments」を囲み、その前後の部分をそれぞれ「fontcolor="FF0000"」のない <cf ..> ... </cf> で囲んでいます。結果として、「fontcolor="FF0000"」のない <cf ..> ... </cf> が訳文で 1 組多くなっています。
原文:
これは TagEditor のタグの検証機能でも指摘されますが、ここでは誤りではないと考え、修正しません。
必要な箇所が正しく修正されているかどうか確認するため、再チェックをします。
TagEditor に戻り、[結果の一覧]タブの最上部(ツールバー)の[再チェック]をクリックします。
再チェックが開始され、しばらくすると[再チェックの結果]タブに結果が表示されます。
チェック結果を確認し、必要に応じて修正します。
修正した場合は、もう一度再チェックして修正漏れがないかどうか確認することをお勧めします。
チェックと修正が終わったら、[ファイル]メニューから[終了]を選択して Tuscan を終了します。
Tuscan 4.0.19
SDL Trados 2007
Microsoft Windows 8.1 Pro
Trados は、SDL plc の登録商標です。
Trados Studio は、SDL plc の商標です。